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ビジネス実用書なんですが、なかなか面白いことが書いてあったので感想文を書きます。
著者は企業家の安田さん。奇抜なアイデアで会社を動かしておられるようです。
この本、タイトルもそうですが、中身の見出しが「残業をやめれば給料が増える」とか
「本郷猛を鍛えてはいけない」とか、一見パラドックスや矛盾に見えるものになっています。
それらがなぜ真なのかを明解な文体で解説していて、なるほどと思わされることもありました。
まあ、やや強引で眉唾なものもありましたが…。
ビジネス書なだけに、社員サービスや投資などを扱った話が多い中、
3章ではもう少し普遍的なことも書かれています。
全体を通して、より良い質を求める方法が――こじつけくさいものも含めて――テーマとして
あげられると思います。
要するに何事にも工夫や発想の転換が大事で、いかに工夫をできるかがその人の様々なスキルに
繋がっていると言うことです。そして様々な視点やトピックから、工夫のヒントをちりばめています。
僕自身、受験生としての夏を過ごすにあたって勉強の質、つまりは効率ですね、
それをどうやってあげるかを最近いつも考えています。
興味を持って勉強するようにはしているんですが、それだけでは受験に向けて不安があります。
その点に関して、安田さんはいくつかのトピックの中で「変化を求めろ」と結論付けています。
今ある大事なもの、僕について言えば学習のパターンを捨てて、
新しいやり方を模索しなさいと言うことです。後に戻れないように現在のものを捨てて、
背水の陣で望むことでいい結果を出せるように、もとい出さなければならないようにしてしまうんです。
確かにそうかもしれないんですが、僕みたいな超臆病者には難しいですねえ…。
受験までの時間が限られていてあまりない今からチャレンジするには、ちょっとリスキーすぎます。
でも安田さんに言わせると、これは「伸びない人材」の思考なんですよね。うーん…。
ともあれ、この本に書いてあるように「とりあえずやってみる」くらいの気持ちでいられるようにします。
ところで、この「変化を求めろ」と言う発想は、アップルのスティーブ・ジョブズさんの
"Stay hungry, stay foolish"にも通じていますよね。
ジョブズさんは実際に波乱の人生を過ごされているので、この言葉には重みがあります。
企業も安定だけではやっていけない時代なんですね。
同じ場所から見る景色は変わらないので、色々動き回って世界を眺めてみなさいということでしょう。
そう考えると、日本の「年功序列」の雇用体制って真っ向からこれに反してますね…。
今は不況ですから、安定した職が望まれていますが。
自分の天職を求めて、もっと気軽に仕事を変えられる社会になるといいですね。
おっとと、話が逸れました。
結構売れていて話題にもなったようですから、読んでみてはどうですか?
何かのきっかけやヒントがつかめるかもしれないですよ。
この本に書いてあるような内容、特にビジネス関係のものを実践するのは
やはり危険ではないでしょうか。
失敗のための投資や変化の追及は分かりますが、いささか極端にしすぎな感があります。
大きな資金を動かす時に損をしないために必死になって作業する中でスキルやセンスが磨かれる、
とありますが、本の中で書かれている金額は、なくなったら経営が傾きかねない規模のものです。
それに、いくら背水の陣でやらざるを得ない状況に追い込んだとしても、それはあくまで成功率を
挙げるための方法でしかなく、失敗の確率を0に出来るわけではないので、不運にも失敗が
続いてしまうことも起こり得ます。
社員を守る意味でも、あまりに変化を求めすぎるのはよくないですよね。
そして、僕のような思考の「よくない人材」にとって、過度の変化は反感のきっかけにもなります。
歴史上にも、税制や身分制度の改革が結果として衰退に繋がってしまった国がいくつかあります。
例で挙げる変化のスケールが大きすぎるので小心者の僕には違和感がありました。
それから、結論が短絡的過ぎるトピックも気になりました。
「タクシーに乗るのに理由は要らない」は、満員電車をやめてタクシーに乗って快適に通勤すれば
社員のモチベーションが上がって売り上げも伸びると言う話でした。
ちょっと怪しいですよね。そんなことはないとは言えませんが、自信を持ってそうだともいえません…。
面白い内容もあるのですが、全部を鵜呑みには出来ないですね。
否定的なことも書きましたが、一読の価値はありますよ。
では、またお目にかかるときまで。