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放置ばかりのだめブログ。
2025/05
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SF界の古典、アイザック・アシモフの短編小説集です。
原題は"I, ROBOT"で、ウィル・スミスが主演した同名の映画の原作ということになってます。
ただし、内容は全く違うものです。人名や設定の一部を借用した程度の一致率。
有名な「ロボット三原則」も、この人の小説が初出です。

何がよかったって、ひとえにロボットたちのバカさ加減が妙におかしくてかわいいことですよ!
特に小説の最初の方、ロボット黎明期に作られたタイプは擬似人格プログラムも不完全で
融通が全く利かないし、ロボット三原則のせいで人間には絶対服従。
そういう古いポンコツロボットに対して人間は腹を立てますが、
その様子もユーモアが効いていて面白い。

不完全なロボットとそれを扱う人間のやや傲慢な態度のリアルさもよかったです。
実際に起こりそうですよね、ロボット差別。「ロボットに権利はあるか」とか真剣に議論してそうです。
ロボット技術の進展の思考実験といわれるのも分かります。
 



昨今氾濫気味の、外見上人間と見分けの付かない「ヒューマノイド」よりも、
外見はあくまでマシンの「ロボット」の方が好きです。
メイドヒューマノイドとか、それただの変わり者の美少女やないか…。

不気味の谷は、個人的には「谷」ではなく下り坂の気がします。
もし、人間と見分けの付かないヒューマノイドと接して、
そのときは気づかず「人間」として好感を抱いていたものを、
あとになってあれはヒューマノイドでしたと教えられたら、
教えられる以前と同じように好感を持てるでしょうか。
結局、対象をどのように認識するかに帰結するのかなあ。

人間はしばしば完全なものを畏怖しますよね。
品行方正、容姿端麗、頭脳明晰、スポーツ万能で
その他もろもろの美徳を兼ね備えた超絶人間がいたとしたら、
ひとつくらい欠点を見つけたくなるのが人情というものです。
そこでひとつでも何か人間くさいところを見つけるとすごく安心できたりして。
人間は完全なるものを敬愛し、不完全なるものに恋焦がれるのである。

まあ、そういう完璧超人は逆に人間らしくないのですけど。
「完璧な人間」と「完璧なヒューマノイド」との違いとはなんぞや。

……これ以上ぐちゃぐちゃと考えていくと収拾が付かなくなるので(既にまとめられなくなった)
ここらで思索の時間はおしまいです。

小難しく考えなくても、ロボットの不器用さと人間の皮肉にニヤニヤしていれば
充分楽しめる小説です。SF作品の入門用としてオススメ。

さっきみたいにちょっと小難しく考えたい人には
同じくアイザック・アシモフの「鋼鉄都市」とか、
フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
とかがいいんじゃないかなあ。電気羊のほうがちょっと難しいです。
僕もそんなにSF作品って読まないので…。

こういう面白い作品あるよ!って人はぜひ教えてください。

では、またお目にかかるときまで。

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