放置ばかりのだめブログ。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今回は心理学の入門本です。著者は立教大学教授の奈須正裕さん。
「心理学ジュニアライブラリ」と言うシリーズのもので、中学生向けに易しく書かれています。
「勉強をやらなきゃいけないんだけど、どうもやる気にならない」と言う
学生に普遍の倦怠感を解消するため、どうしたら意欲的になれるかを
心理学的に考えていくことをテーマにした内容です。
第一に、とにかく読みやすい。柔らかな丁寧語で学問に関する本を
読んでいるようには感じませんし、理屈っぽい心理学理論にも身近で明快な例が
冗談まじりに述べられているので、リズムよく読み進めることが出来ます。
ページ数も約120程度とかなり短いので、読書嫌いな中学生にもあっさり読めてしまいます。
時間はないけど読書したい受験生にもありがたかったです。
さて、内容の感想に入っていくのですが、説明なしに心理学用語を使ってしまったりして、
分かりにくい、読みにくい部分があるかもしれません。気を付けますが、御容赦ください。
心理学は学問ですから、様々な理論がありますが、本書に書かれている理論で
全く理解が及ばないと言うものはありませんでした。
勿論、心理学の中でもとっつきやすいものが挙げられ、その上奈須さんが
中学生に向けて噛み砕いて表現してくださったものなので、高校生としては
理解できないとまずいのですが…。 そういったことを抜きにしても、
自分も同じく持っている心の機微に関することなので、やはり物理学や経済学の理論に比べれば、
いくらか親しみやすいのではないかと思うのです。 そして、そんな親しみやすい本書の
心理学理論のなか、僕が最も納得したのは結果の原因帰属に関する章の部分です。
結果の原因帰属―――つまりある出来事の結果がなぜそうなったのかについて、
何を原因として認知するか―――によって、感情や意欲に大きな違いをもたらすと言うのです。
部活の試合で勝ったときに自分の努力に帰属すれば喜びや誇らしさは増しますし、
相手の不調や運に帰属すればそれらの感情は減少します。
負けてしまったときに練習不足に帰属すれば後悔を、
周りの野次などに帰属すれば怒りを感じるはずですよね。
だから、うまいこと原因帰属を統制できれば感情をコントロールしたり、大きなストレスを回避できます。
適応規制で言うところの合理化を、意識的に行おうというものですね。
でも、やりすぎはよくないです。練習不足を他人のせいにする言い訳野郎になってしまったり、
以前の成功をいつまでも誇示する情けない奴になりかねません。
時には厳しい原因帰属をして、内的な改善点を見付けないと進歩できませんからね。
挫折しそうになった時に、絶望感を上手に回避できる原因帰属を身に付けたいものです。
心理学は以前から興味があり、いつか手をつけてみたいと思いながらも、
なかなか機会がありませんでしたが、今回、手軽に読める本書に出会って心理学の一端に触れ、
その面白味に触れる事が出来て、ますます興味を引かれました。
暫くは本を読みたいという欲求と戦いながらの受験勉強となりそうです。
その意味ではちょっと失敗だったかもしれません。
さて、ギリギリで今年最後の更新でした。いつもながら駄長文でしたね…。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは皆様、良いお年をお迎えくださいっ。
では、またお目にかかる時まで。
PR
ブログ内検索