愛にすべてを

うちのお嬢様（妹さま）がやたらとバレンタインデーの話を振ってきます。
別にそれ自体は嫌ではないんですけど、その後に控えている
｢兄さんは彼女とかいないの？｣という質問が心底面倒くさいです。
……今年度の僕の立場を考えたら、そんな野暮なこと聞かないと思うんですけども。
一体何が目的なのだ。お兄さんには分からないよ。

以前その質問に対して、｢恋人なんていないよ｣と言ったら、思春期における恋愛感情が
その後の人格形成に大きく寄与するだの何だのと科学的に証明されているのか分からない
根拠をまじえながら恋愛のすばらしさについて語ってくれました。
ごめんね、お兄さんはもう、思春期終わったんだ……。

お嬢様には恋人がいるらしいので、そういう話をしたくなるのも分かります。
たまにだったら相手をしてあげてもいいんですけど、
こう頻繁にだと精神を蝕まれます。

僕は今のところ男女交際より本を読んだり勉強したりしているほうが楽しいので
別に何も困っていないんですけど、お嬢様にそんなことを言うのは火に油だと分かっています。
先輩も我々恋人無しは恋の病の患者に対しては何も言ってはいけない。
我々の言葉は全て負け惜しみにしか取られない　と言っていました。

なので今日も｢恋愛っていいものなんだね｣と、
ニコニコしながらお嬢様の話を聞き流してしまう僕なのです。これは不誠実でしょうか。

なんか、今日の内容ちょっと気持ち悪いなあ…。こういう話は扱いづらい。

ではまたお目にかかるときまで。